ご自宅でできるスキンケア商品&サプリメント 皮膚病治療症例写真集 難治性皮膚疾患の症例報告
HOME > 柴犬の皮膚病

柴犬の皮膚病

わんちゃんの皮膚病についてのイメージ

柴犬の皮膚病は非常に多く、遺伝的な素因があると考えられています。その柴犬の再発性、または難治性皮膚病になりやすい原因で最も多いのがア レルギー性皮膚炎、特に環境アレルゲンとIgEが関与した『犬アトピー性皮膚炎』です。
柴犬に多く認められるこの犬アトピー性皮膚炎は、短期的な投薬治療では再発しやすく、徐々に重症化する傾向にあります。

【年齢】
一般的にアトピー性皮膚炎の80%が3歳までに発症するといわれています。柴犬のアトピー性皮膚炎の場合も同様で、比較的若い頃の発症が基本となりますが、病変部が限局されて気付きにくいなど、もう少し中高齢期に悪化して、診断に至ることもめずらしくありません。
【症状】
共通する症状は痒み、「掻く」「舐める」「噛む」「擦る」といった仕草が認められます。
柴犬のアトピー性皮膚炎には特徴が多く、痒みや脱毛の部位が非常に似ています。
【季節性】
軽度では梅雨~夏、中等度では春~冬の初め、重度では1年を通して症状が認められます。
特に梅雨~夏の、気温と湿度の高い季節は悪化する傾向にあります。 
【病変部】
眼周囲、鼻周り、口唇、頬部、肢端、腹部、ワキなど

典型的な皮膚病変

頭部
体躯・・・腋~内股
四肢・・・前肢(内側)、後肢(頭側)、足根関節、指間、足裏

柴犬の皮膚病における一般皮膚検査

アレルギー性皮膚疾患のイメージ

柴犬の皮膚病で最も難治性になりやすい犬アトピー性皮膚炎を疑った場合、初めに一般皮膚検査を行います。感染の有無、寄生虫の有無の判定のほか、過去の治療歴から症例の多くが抗生物質に対する多剤耐性菌による膿皮症を併発しているため、薬剤感受性試験を行います。

一般皮膚検査

● 顕微鏡検査:細菌性、マラセチア性、寄生虫性
● 培養検査:糸状菌性、細菌感受性検査

脂漏を伴った犬アトピー性皮膚炎の症例

顕微鏡所見:マラセチア

犬アトピー性皮膚炎の症例に認められた膿皮症

顕微鏡所見:細菌

柴犬の皮膚病における内分泌(ホルモン)疾患検査

皮膚・被毛の状態を正常に保つために、生体内ではさまざまなホルモンが作用しています。基礎疾患にこの内分泌ホルモン疾患がある場合、脱毛・皮膚感染症・脂漏・フケ・色素沈着などの症状が認められます。過去に皮膚病歴がなく中高齢期からの発症で診断に至る症例もあれば、若齢からの膿皮症やアトピー性皮膚炎などに引き続き併発することで治療成績が悪化しはじめた症例もあります。治療成績に大きく影響するため、血液検査と画像診断で内分泌疾患を調べます。柴犬の内分泌疾患で多く認められるのは、甲状腺機能低下症及び性モルモン性疾患です。

性ホルモン疾患による感染性皮膚炎

犬アトピー性皮膚炎と見間違う所見ですが、性ホルモン異常による感染性皮膚炎です。柴のアトピーの治療にはステロイドを必要とすることが多いですが、この症例の治療にはステロイドは使用しませんでした。柴犬は重症化するとアトピーの有無に関わらず「アトピー性皮膚炎に診える」ことが多いため、鑑別することが重要です。アトピー体質はなかったため、性ホルモン異常の治療により完治しました。

性ホルモン疾患によりコントロール不能となった犬アトピー性皮膚炎

柴犬に多く認められる犬アトピー性皮膚炎と判断されやすい皮膚病ですが、実はアトピー体質に加え性ホルモン疾患により複雑な病態で難治性となっていた症例です。病変を丁寧に診ていくことで、アトピーによる病変と性ホルモンによる病変を見分けることが可能です。性ホルモン疾患に気付かず一般的なアトピー性皮膚炎の治療だけではコントロール不能に陥ってしまいます。性ホルモン疾患の診断・治療を行い、それからアトピー性皮膚炎の治療をすることで痒み、脱毛ともに改善しました。

柴犬の皮膚病におけるアレルギー検査

柴犬は遺伝的にアトピー体質を持っていることが多く、このアトピーの診断をいかに正確に行うかが非常に重要になっています。
その理由は、

①アトピー体質による場合、完治(治療終了)が見込めないことが多い
②ステロイド療法のメリット・デメリット、長期的な管理について
③免疫抑制剤や、インターフェロンや減感作療法による治療選択肢の提示

など、特別な説明と治療の選択をしていただくために的確な診断が必要と考えています。

アレルギー検査

● アレルゲン特異的IgE検査:
環境アレルゲン(ハウスダスト、花粉、カビetc)
食物アレルゲン(18項目)

● リンパ球反応検査:食物アレルゲン(18項目)

柴犬に犬アトピー性皮膚炎が多いことは事実ですが、「柴=アトピー」ではなく、中には食事療法のみで改善が認められる食物不耐性や食物アレルギーの柴犬も存在します。その場合アレルゲン特異的IgE検査の検査結果だけではアレルギーの原因となっている食物アレルゲンを特定することは難しいため、リンパ球反応検査も併用した血液検査が有効です。

柴犬の犬アトピー性皮膚炎の管理

柴犬のアトピーは遺伝が大きく関連した体質から発症する疾患のため、完治するための確実な治療法はありません。完治を治療のゴールとすることは現実的に難しいため、「許容できる痒みの範囲内にコントロールする」を目標とします。

治療の目標

許容できる痒みの範囲:
○痒みで傷ができない
○脱毛がなく毛並みが整っている
○夜は静かに寝ている
○鳴きながら掻いていない
○声をかけなくても自然と止まる

柴犬の犬アトピー性皮膚炎の治療

薬物療法
抗生物質膿皮症などの細菌性皮膚炎に使用
抗真菌剤糸状菌症やマラセチア性皮膚炎、外耳炎に使用
抗ヒスタミン剤犬アトピー性皮膚炎の長期管理に使用
ステロイド剤
犬アトピー性皮膚炎の短期~長期管理に使用
ステロイド療法
サプリメント長期的な治療成績向上、薬物療法の減量を期待して使用
免疫抑制剤ステロイドの投与量を減らすために使用
インターフェロン体質・痒みの改善に使用

※投薬する主な薬剤であり、すべてではありません。

スキンケア
シャンプー療法環境アレルゲンの除去、皮膚病変菌の除去、皮膚バリア機能の修復など、アトピー性皮膚炎の重要な治療となります。
薬浴治療院内で行う、特殊なスキンケア治療です。特に脂漏を伴う病変部に短時間で大きな効果を示します。

脂漏を伴った犬アトピー性皮膚炎

スキンケア治療2回実施後
(治療3週間後)

治療11週間後

スキンケア療法
食事療法

柴犬の皮膚病において、食物アレルギー単独で難治性になっている症例は多くありませんが、食物アレルギーを併発している場合、適切な食事療法を行わないと改善が認められません。また、食事が皮膚病の治療成績を向上させることは多く認められるため、たとえ食物アレルギーがなくても質の高い療法食による食事療法は行うべきと考えています。

減感作療法

一定の治療効果がありますが、さまざまな問題点から、当院では行っておりません。

柴犬の犬アトピー性皮膚炎における適切なステロイド療法

「脱ステロイド」という言葉があるように、ステロイドを使用すると皮膚が悪くなる、副作用があるetc、「ステロイド=悪い薬」というイメージが定着していますが、ステロイドなくして医療は成り立たないほど非常に大切な薬剤です。確かに、不適切なステロイドの使用が皮膚病を悪化させている症例がいることは事実ですが、皮膚科診療においてもステロイドはなくてはならない薬剤です。そして柴犬のアトピー性皮膚炎では、ステロイドを適切に使用することで格段に治療成績をあげることができます。当院でもステロイドの副作用から難治性となった症例を数多く「脱ステロイド」させてきましたが、それでも柴犬のアトピー性皮膚炎には積極的なステロイド療法を行っています。ステロイドの治療効果と副作用の両方を把握し、適切に使いこなしてこその皮膚科診療と考えています。

ステロイド療法による治療成績

柴犬の皮膚病の注意点

柴犬の皮膚病が難治性になりやすい理由にはアトピー体質だけでなく、柴犬独特の性格なども関係しています。水が嫌いでシャンプーが不十分であったり、内服薬が飲めない、外用薬を嫌う、ドッグフードを食べない、病院を嫌う・・・etc、さまざまな視点からみても治りにくい要因を数多く抱えていることが多いのが現実です。その中でもやはり最も難治性になる理由が「アトピー体質」になるのですが、このアトピーで難治性になる理由もいくつかあります。第一に「完治を目指す」、これは投薬を含め治療を終了することが再発の原因になるためコントロールできない原因に繋がります。次に「ステロイド=悪い」というイメージです。ステロイドに対して「副作用がある悪い薬」、「ステロイドを服用しても治らないため、治療とはいえない」など極端な考えから生まれたものです。実際人の医学でもアトピーをステロイドで10年、20年とコントロールするように、ステロイドによる治療が必ずしも副作用を伴うわけではないため、注意して使用してコントロールすることを目標にしていくことが大切だと考えています。

新着情報

一覧を見る

2017/02/17

〈3月休診日のご案内〉
毎週、火曜日・水曜日:午前・午後休診
毎週、日曜日:午後休診

20日(祝・月):午前・午後休診
その他、セミナー参加等で急遽変更になる場合もございますので、ご了承ください。

2017/01/22

〈2月休診日のご案内〉
毎週、火曜日・水曜日:午前・午後休診
毎週、日曜日:午後休診

その他、セミナー参加等で急遽変更になる場合もございますので、ご了承ください。

2017/01/05

〈1月休診日のご案内〉
毎週、火曜日・水曜日:午前・午後休診
毎週、日曜日:午後休診

9日(月・祝):休診
23日(月):午後休診

2016/11/21

〈12月休診日のご案内〉
毎週、火曜日・水曜日:午前・午後休診
毎週、日曜日:午後休診

23日(金・祝):午後休診
29日(木)午後受付5時まで
30日~1月4日:休診

2016/10/17

〈11月休診日のご案内〉
毎週、火曜日・水曜日:午前・午後休診
毎週、日曜日:午後休診

11/3(木・祝):休診
その他、セミナー参加等で急遽変更になる場合もございますので、ご了承ください。